加藤シゲアキさんの『ミアキス・シンフォニー』を読んだので紹介します。
本文に入る前に、私はNEWSファンです。
なのでファン目線、ひいき目があるかもしれません。
また読書初心者ですのでご理解いただければと思います。
『ミアキス・シンフォニー』とは?あらすじ紹介
博多から大学入学を機に上京したあやは、成長を感じられず、焦燥感にかられ、鬱々とした日々を送っている。ある日、あてどなく大学構内を歩いていると、同級生のまりなに遭遇し、思いがけない事件が起きる。
出典:『ミアキス・シンフォニー』公式ページ|ananweb
そこから始まる物語は、さまざまな出逢いを連れてくる。和食の料理人師弟の感情のもつれ、兄弟間の浮かんでは消える愛憎、元夫婦の複雑な思い…。
さまざまな場所で生まれるドラマの連鎖がさらに縁をつなぎめぐり会っていく人々。そこに愛はあるのか、それは愛のようなものなのか。
今、“愛”を考えるための最上の物語!
『ミアキス・シンフォニー』は雑誌ananで2018年から2022年に全16回で掲載された不定期連載が書籍化されたものです。
連載が終わってから書籍化するために改稿作業は1年かかったそう。
連載が始まってから書籍が発売されるまでに7年かかっており、著者が小説家歴の半分以上の期間をかけた作品です。
私はananの連載は読んでいないため、書籍化されたものを読んでの感想になります。
読書初心者の『ミアキス・シンフォニー』を読んで感じたこと
視点が変わっていく構成に引き込まれる
『ミアキス・シンフォニー』を読みはじめて、序盤に「あれ?誰が主人公なんだろう?」と疑問を感じました。
そう感じたのは章ごとに主となる登場人物が変わるからですが、短編を読んでいるような感じで読書初心者でもわりとスイスイ読めました。
短編を読んでいるようで、でも出てくる登場人物にすべて繋がりがあり、ひとつの物語になっています。
ひとつの章の中でも、視点が次々と違う登場人物に変わっていきだんだんと登場人物や話が繋がっていく構成になっていて、どんどん引き込まれました。
加藤シゲアキさんの書籍化されている小説はすべて読んでいます。
その中でも著者のデビュー作『ピンクとグレー』や、前作『なれのはて』は後半になるにつれて「続きが読みたい!気になる!」という感覚がどんどん増していってとても読んでいておもしろかったです。
しかし今回の『ミアキス・シンフォニー』はその2作とは違い、序盤から「続きが早く読みたい!」の感覚がありました。
もともとananで連載された連作短編ものなのでひとつひとつのストーリー展開が早くそう感じるのかもしれません。
登場人物が多い
登場人物が多いという情報は読む前から知っていましたが、本当に多い。
私はノートに相関図を描きながら読み進めました。相関図があると視覚的に整理できるのでこんがらがることなく読む事ができました。
(公式ページや本の中に章ごとの相関図があります。)
様々なキャラクターがいて、自分や自分の周りの人と似たような境遇や価値観を持つキャラクターに感情移入してしまう場面もありました。
私が気になった登場人物「由紀ちゃん」
様々なキャラクターの中でも特に私が印象に残ったのは「由紀」です。
由紀ちゃんはまりなの母親「玉美」の高校時代の友人です。
今まで一度も結婚したことがない由紀ちゃんと、結婚離婚して娘がいる玉美。
私自身も結婚経験がなく、結婚して子どもがいる友人がいます。
自分から見える結婚している友人の見え方とは逆に結婚した友人から独身のこちらに対しての見え方を少し垣間見たような感じがしました。
テーマ“愛”について
ひとつひとつの章で友情、師弟愛、恋愛、兄弟愛などが描かれています。
「愛とは何なんだろう」。
テーマとして描かれているのは「愛」。
けれど正直に言うと、読み終えても「愛とは何か」という問いの答えはわかりませんでした。
でもその“わからなさ”こそが、きっとこの作品の伝えたいことなのかもしれません。
愛に正解はなくて、人の数だけ形がある。
『ミアキス・シンフォニー』はこんな人におすすめ
- 群像劇が好きな人
- 一人の主人公だけでなく、いろんな人生をのぞきたい人
- 「愛」や「人との関係性」について、立ち止まって考えたい人
- 加藤シゲアキさんの世界観を味わいたいファンの方
まとめ
読み終わった直後、またすぐ冒頭に戻って読みたくなりました。
なるほどという感じ。
そんな仕掛けも面白いです。
『ミアキス・シンフォニー』読みごたえがある作品でした。
改めて加藤シゲアキすごい!と思っています。
私はアイドルNEWSのファンなのでこう思うのかもしれませんが。
しかし「アイドルの小説なんて」と思っている方がいるなら、そう思いながらでも加藤シゲアキの本を一度読んでほしいと思います。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
読書感想ブログは初心者ですが、自分の言葉で少しずつ残していけたらと思っています。